原始反射あれこれ

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生まれてから大人へと成長していく過程で、首がすわり、寝返りをうち、座れるようになり、立ち上がって、歩く…というように運動がどんどん発達していくわけですが、その発達は、ゼロから1、2…と単純に積み上げていくというよりは、獲得すべき動きを制限している反射が消失していくと同時に運動として統合されるという、なんとも複雑な過程を経て達成されていきます。

写真はひとつの例。
非対称性緊張性頚反射による特徴的な姿勢です。この反射は英語名の頭文字でATNRと呼ばれていて、この反射によって頭の向きに身体の運動が支配されています。
頭が右を向くと右の上下肢が伸展して、左側は屈曲するというもの。写真では、肘を見るとわかりやすいです。
この反射は生後半年までにはすっかり見られなくなります(統合されます)。この反射があると、身体の左右の動きが、まだ意思によってコントロールできない頭部(首がすわるのは生後三ヶ月くらいなので)の運動に依存していることになるので、上肢が自由に動かせません。

そんなわけで、寝るときになんだかいっつも右向き!とか、抱っこするときにいっつもあっち向いてる!とか、そういうときには腕も含めて動きをコントロールしてあげるとスムーズです。向いてほしい方向の腕を伸ばす、向いてほしくない方向の腕は曲げる。

寝返り前にはこの反射は統合されるので(この反射があると寝返りできない→首のコントロールができないうちに寝返りしないようになってる、とも言えるかも)、見られなくなってしまう前に写真に収めておきました。
by ai_indigo | 2015-02-01 07:22 | 女性として(出産後、子育て)
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