原始反射あれこれ

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生まれてから大人へと成長していく過程で、首がすわり、寝返りをうち、座れるようになり、立ち上がって、歩く…というように運動がどんどん発達していくわけですが、その発達は、ゼロから1、2…と単純に積み上げていくというよりは、獲得すべき動きを制限している反射が消失していくと同時に運動として統合されるという、なんとも複雑な過程を経て達成されていきます。

写真はひとつの例。
非対称性緊張性頚反射による特徴的な姿勢です。この反射は英語名の頭文字でATNRと呼ばれていて、この反射によって頭の向きに身体の運動が支配されています。
頭が右を向くと右の上下肢が伸展して、左側は屈曲するというもの。写真では、肘を見るとわかりやすいです。
この反射は生後半年までにはすっかり見られなくなります(統合されます)。この反射があると、身体の左右の動きが、まだ意思によってコントロールできない頭部(首がすわるのは生後三ヶ月くらいなので)の運動に依存していることになるので、上肢が自由に動かせません。

そんなわけで、寝るときになんだかいっつも右向き!とか、抱っこするときにいっつもあっち向いてる!とか、そういうときには腕も含めて動きをコントロールしてあげるとスムーズです。向いてほしい方向の腕を伸ばす、向いてほしくない方向の腕は曲げる。

寝返り前にはこの反射は統合されるので(この反射があると寝返りできない→首のコントロールができないうちに寝返りしないようになってる、とも言えるかも)、見られなくなってしまう前に写真に収めておきました。
# by ai_indigo | 2015-02-01 07:22 | 女性として(出産後、子育て)

目を見て抱っこ

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睡眠について論文なんか読んで考えはじめたら、これまでPTとして学んできたことの中に、他にもいろいろ日々の子育てに役立てることができるものがあるんじゃないか、と思うようになった。

で、また睡眠関連で(そんなに専門的じゃないけれども)、ひとつ思いついたのがREM睡眠の観察だ。
夜は子どものひとり入眠にトライしているので、昼間だけやっている抱っこでの寝かしつけ。このとき悩むのが、いつ寝床へ降ろすか。背中スイッチなんていう言葉があるくらい、降ろしかた、降ろすタイミングは難しくて、せっかく寝かせたと思ったのに降ろした途端に起きてしまって努力が水の泡になること数限りない。
コツを検索して調べてみると、どうやら熟睡させてしまえばいいらしい。(そりゃそうだ。)問題はその見極め。ネットで例にあがっていたのは、手がぶらんとして力が抜けたら、とか、寝息が深くなったら、とか。ナルホド、と思ってそこらへんを頼りに寝かすも、やっぱり時々起きてしまう。
そこで、REM睡眠の観察をしてみることにした。

REM睡眠では、その名(Rapid Eye Movement)の通り眼球が動く。その動きは瞼の上からでもわかる。ということは、眼球が動いている間は眠りが浅いということ。眼球の動きが止まったらnonREM睡眠に入ったと判断して寝床へ降ろしてみた。
その結果、背中スイッチが入ってしまう回数が減った。手がぶらん、とか、深い寝息、よりはわかりやすいような気もするし、目がグリグリ動いている様子の観察はなかなか面白い。

この方法をやってみて気づいたのは、浅い眠り長い!てこと。そういえば赤ちゃんは浅い眠りです、て、病院で聞いたような。。
そこで論文のアブストラクト調べてみました。普通にオンラインで得られる範囲で。


Sleep ontogenesis revisited: a longitudinal 24-hour home polygraphic study on 15 normal infants during the first two years of life.
(PMID:9381053)
1997年のこの調査は生後数ヶ月ごとに24時間ポリグラフをとった長期的観察。これによれば、生後12ヶ月頃に効率の良い睡眠になってくるそうだ。つまり、それまでは安定しない睡眠てことか。


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Spontaneous arousal activity in infants during NREM and REM sleep
こちらの論文では、新生児の身体の突然の動きがREM睡眠中に起きることが多いこと、そしてその動きは脳幹レベルの支配運動であって皮質との関連はなさそう、との報告。
寝てるときの『ビク!』で起きてしまうのは、本人も意図するところではない反射的な身体の反応で、さらに浅い眠りのときに動いちゃうとなれば、そりゃ起きるわねー、と思う。もしかして、これはどうしておくるみが有効なのか、と繋がるかも。。


そんなわけで、入眠にREM睡眠かどうかの判断を使う方法は悪くないけど、そもそも熟睡している目安になるnonREM睡眠自体が乳児だと短い上に安定しないこと(生後一年くらいまで)、がわかった。
でも、手ぶらり、とか、寝息、とかよりはわたしにはわかりやすいかな、やっぱり。

そして。REM睡眠とその間に起きる身体の動き、これはどうやら、どうしておくるみで身体の動きを制限するとよく寝るのかと関係してそう。また時間があるときに調べてみよう。
# by ai_indigo | 2015-01-25 08:26 | 女性として(出産後、子育て)

睡眠tips?

『フランスの子どもは夜泣きをしない』という本がきっかけで、自分の子どもの睡眠について考えてみた。

本を読んだのはちょうど生後一ヶ月の日。それまでは夜、三時間くらいのサイクルで布団の中で寝ながら授乳してきた。このことは、夜間の授乳で母乳分泌量を維持する目的にも合致していたし、なんといっても起きた子どもが授乳によってさっさと寝てくれるので、それでいいんだと思ってきたのだけれど。
本を読んでふと、これは『泣く→授乳』というサイクル形成なのかもしかして?という疑問が生まれた。

自分のやり方を、振り返ってみると。
それまでの段階ですでに、入眠儀式的なものを作ろうという努力はしていて、次のことに気をつけていた。
①毎日同じ時間にお風呂→消灯→ミルク→入眠を心がける
②寝る前の満腹を優先してお風呂後は母乳でなくミルクでいいということにする
③ミルクのあと、完全に寝かせる前にウトウト状態で布団へ入れておしゃぶりを使って落ち着かせる(大抵そのまま寝る)

これで入眠はなかなかうまく行くようになっていた(わざわざ授乳しないでも寝てくれるので楽になってきていた)。

でも、一旦寝てから次の朝までには、三回程度の授乳をしていた。つまり、二時間半程度のサイクルで親子共々起きていた。つらいけれど、みんながそうしてきているし、夜間授乳に関してはこれが普通なんだと思っていた。


そんなタイミングで上記の本を読んだわけだけれど。本では、入眠についての工夫は特に書いていないが、その後の睡眠を持続させる方法として、以下のようなポイントが書かれていた。
⑴子どもの睡眠サイクルを観察し、不快で泣くのか睡眠サイクルの谷間でむずかっているのかを判断する
⑵睡眠サイクルの谷間は子ども自身がコントロールして乗り越えられるようになるべき
そしてこのふたつのポイントを支持するものとして以下のような論文の引用もされていた。

Help Me Make It Through the Night: Behavirol Entrainment Breast-Fed Infants' Sleep Patterns
http://m.pediatrics.aappublications.org/content/91/2/436.short

Behavioral treatment of bedtime problems and night wakings in infants and young children.
http://www.aasmnet.org/resources/practiceparameters/review_nightwakingschildren.pdf

一つ目の論文(アブストラクトしか読んでいない)は、入眠前の集中的な授乳による睡眠パターンの形成についてで、二つ目は、不眠の子どもの睡眠トレーニングのreviewだったわけなんだけれども、どちらにも共通していたのが「長時間睡眠は訓練しないと可能にならない」という認識と、「睡眠は学習なので教える側の一貫性が大切」という姿勢だったと思う。もちろん、書いてあるのはもっと学術的なことなんだけれども、その背景にある睡眠研究者たちの理解がそういうものなんだということをヒシヒシと感じさせる内容だった。

ふむ。

と、いうことは、やっぱり夜間の頻回授乳は、夜になったら泣けば授乳してもらえる、という学習を子どもにさせていることになる。
…それは困る。というのがわたしの感想だった。
じゃあどうするか。
考えた結果、夜間授乳はやめてみた。

ちょうど母乳の分泌量が十分になって完全母乳でもいけそうになってきている時期、正直ここで夜間授乳なしは母体にはきつい。胸は張るし、乳腺炎も怖いし。でもそれはまあ、搾乳で乗り越えられるかも。それよりは一人で眠れる習慣の獲得が優先だ。そう思った。

そんな流れから、本と論文とこれまでの自分の子どもの睡眠を参考に、以下のような点に注意して子どもの睡眠に取り組むことにした。
⒈ 夜間の授乳は基本的にしない
⒉ 入眠前には満腹にさせる
⒊ 夜間むずかったら、オムツ替えとおくるみの巻き直しをして様子を見る
⒋ おしゃぶりの使用は厭わない、おくるみを使う
⒌ これまでの入眠儀式(上記)は継続(夜だと明確にわかるように消灯、テレビなども消す)

つまり学習させたいのは、
☆夜は昼とどう環境がちがうのか
☆夜は泣いても授乳してもらえない
☆お風呂のあとの満腹は寝るサイン、朝起きたら(明るくなったら)またたっぷり飲める
この三点。
ちなみに、上記一つ目の論文では、夜間授乳しなかった場合には朝の授乳で飲む量が自然に増えるので、一日のトータル授乳量は変わらないという実験結果が提示されている。


現在、開始して二日目。
一日目ははじめに四時間眠ったあと、次の入眠に苦労した。けれど、おしゃぶりを使うことで大泣きはしなかった。このことで、むずかっても特に空腹なわけではないことがわかった。
二日目、最初の睡眠が四時間半。むずかったけれど、おしゃぶりで50分程度かけて次の熟睡モードへ。なかなか良い。むずかりを観察しているのも疲れるけれど、子どもがいま学習していると思うとなかなか興味深い。いま、とりあえずひとつの睡眠サイクルの谷間を乗り越えることができたらしい子どもの寝顔を見ながらこれを書いている。

さて、今後どうなることやら。
とりあえずは、開始して二日連続で自分が四時間眠れたことの喜びを噛み締めておこう。
# by ai_indigo | 2015-01-24 03:47 | 女性として(出産後、子育て)