保育ママという選択肢

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2月は保育所見学月間だった。

区の認可保育園は決まり次第育児休暇を切り上げることができる人しか申し込みを受け付けてもらえないため、来年度は無理。そうなると認可外の認証保育施設か無認可保育施設にあたるしかない。
次の12月の育休明けに合わせて復帰するにも、そこを諦めて1年後の4月に復帰するにも、制度上どうしても次の冬までにどこかに預ける必要がある。事前に申し込んでいた大学内の保育所が2カ所とも落選してしまい(ひとつは無認可だったので預けられるだろうと思っていた)、遅ればせながら通える範囲の保育所をとりあえずひたすら見学することにしたのだ。

保育所にもいろいろあった。
認証も無認可も集団保育が基本だが、保育室のように低年齢の子どもだけを預ける場所や保育ママのように個人が3−5人を預かる場所もある。
ハードも様々。古くても掃除が行き届いている施設、窓が少なくて薄暗い施設、園庭のある施設、狭い施設、新しくてピカピカの施設。
そしてルールも複雑。使用済みおむつを持ち帰るかどうか、ミルクは保育料に含まれているかどうか、給食か手作りかお弁当か。
それから、なんといっても保育士さん。若かったり、男性がいたり、豪快なかんじだったり、疲れ果てていたり、楽しそうに笑っていたり、いかにも教育者という感じだったり。

そしてそんな施設を回りながら、心の中にも日々複雑な思いが渦巻いていた。
仕事を始めて更に妊娠・出産を迎えたことで、まともに通うことのできていなかった大学院に、育休中どうしても通いたい。ここで再開しなければ、辞める道しかない。
制度上年度途中に預けるのが困難な状況だからといって、4月から預けるか?産まれて4ヶ月に満たないのに集団保育の波の中へ・・・。
心から「自分の子どもを預けてもいい」と思える場所はあるのか。そんな場所に入れるのか。

まさに暗中模索の一ヶ月だった。
全部で10カ所、生後2ヶ月に満たない子どもを連れて見学してきた。

そして今日、家から一番近い保育ママに4月から預けることが決まった。
集団保育に4ヶ月から預けるのは嫌だ・・・という気持ちが固まってきたところだった。
私自身も、初めての子育てで、母親としての one of them になることに不安が芽生えていた。
できれば、個人の関係を築くことが出来る保育ママに預けたいと、家から通える保育ママに一軒一軒電話をして、いくつかの偶然でたまたま出会えた人だった。

枠が空いたのも偶然(限られた保育園の0歳児1枠しかない二次募集に内定者が決まったため空いた)、そこに連絡をしたのも偶然(以前決定しているからと断られた場所にもう一度ダメもとで電話した)、決まったのも偶然(もちろん複数の応募者がいたのだがその中で選んでもらえた)。

決まった保育ママさんは、大学院と仕事のこと、どういう子育てをしたいか、そんな話を聞いてくれた。
見学先で出会う鬼気迫った親たちと、連日の見学に疲れた保育士さんたちと、がんばっても報われないばかりの保育所探しに、疲れていたから、涙が出そうだった。
なにより近所に、子育てに関して頼れる知り合いができて心から安心した。もし今回預け先に決まらなかったとしても、子育てに困ったらわたしはその人に電話していたと思う(もちろん相手にはそんなものに応える義務はないのだけれど)。

自分が人に関わる仕事が好きだから、個人の関係を紡げる保育ママという預け先が気に入ったのかもしれない。
子どもを(それから新米のわたしを)一緒に育ててもらえる人を見つけることができて、心から安心している。
よかった。

保育ママが預かってくれるのは2歳まで。
保育時間が短く、保育ママの生活もあるのでお休みもあったり、いろいろ集団とは違う不便さもある。
でも、やってみなくちゃわからないし、先のことはその時々に悩むしかない。いつも自分と家族と子どもと社会との「落としどころ」を見つけるようにしていくのが子育ての一つの側面なんだな、と思う。

自分がどうやって育ってきたか、ということを思い返す1ヶ月だった。
by ai_indigo | 2015-02-26 11:10 | 女性として(出産後、子育て)
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