中学校でやった高齢化社会についての授業の感想が返ってきた。

中学生が考える高齢化、180枚近い感想を読んで、まだまだ大人の考えに染まらないものが多数あって少し安心した。
そろそろ高齢者と呼ばれる(あるいはすでに呼ばれている)人たちが、自分たちが安心して老後を過ごすために大きな声で高齢化を叫んでみたところで、結局は、これから社会を作っていく彼ら(中学生などなど)が「楽しい老後」についてイメージを持っていなければ、なにも社会は変わらないのだ。

今回一番印象に残ったのは、出会った中学校の先生の思う老後が悲壮感に満ちていたこと。老後ってそんなに怖いものでしょうか。わたしはこれまでたくさんのお年寄りにお会いして、それぞれがそれぞれの人生を一生懸命楽しく(ときにはつらいことに直面しながら)生きているのをたくさん見てきたので、なんというか、結局は受容の問題なのではないかなと感じました。

以下、その先生に書いたお返事の一部の抜粋です。



高齢化社会が大問題のように叫ばれてはいますが、高齢者に多く関わる立場として一番強く思いますのは、結局のところすべての帰結は「ひとりひとりが年齢を重ねることを受容できるか」という一点にあるではないかということです。周囲の家族も含め、高齢者やそれを取り巻く社会が、人間はいつまでも健康でピンピンコロリと死ぬことができるなどという幻想を抱いている限り、問題は解決しません。ヒトも生き物ですので、だんだんと弱り、いつか病気にかかり、多かれ少なかれ苦しい思いをして死ぬのが自然の摂理なのです。そこから目を背けるということは、結果として老いを受け入れない社会を形成することに繋がるのだと思います。老いを受け入れたくない人たちが、老いを許容できる社会を作り出せるわけがないのです。
by ai_indigo | 2013-12-11 20:27 | 教員として
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